2006年12月21日

アブシンベルにて(2)

夕暮れのアブシンベル(1).jpg

 個人的に感動巨編な午後だったんだけれどもすべての人が感動できるかどうかはわからない。

 
落ちた首.jpg
落ちてる、ちゃんと落ちてるよ

 アブシンベルに来てしまった。

 大神殿も小神殿も観光客でいっぱいです。アメリカ人グループ(たぶん)に写真を撮ってくれと頼まれました。はいはいいいですよー。いきますよー。ツィーーーーズ。
 この神殿もまた、アスワンハイダムの存在により水没する危機にあったところを、大がかりなプロジェクトによって移築されたことで有名です。すごいぞ、これほんとに移築したの?


大神殿の裏.jpg
要するにハリボテなのだ

 これが大神殿の裏側。コンクリートのドームにそれっぽく砂をかけてあるだけなのですが、まあ、もともと岸壁をくりぬいて造られた神殿だから、外面などどうでもいいのです。

大神殿内部.jpg
わたしの力はここまでだ

 神殿内部は撮影することができません。見張りが入口にふたりもいるのでカメラを向けるのもためらわれます。内部のラムセス2世の立像やレリーフはなかなか壮大な大きさでした。
 最深部の至聖所にある四つの像は、けっこう損傷が激しく、すっかり無貌になっていました。年に2回、この至聖所にまっすぐ朝日が射しこみ、左から順に3体の神像を照らしていくというのは有名な話です(一番左の像は闇や宇宙の神の像なので光が当たらないという小粋な演出)。ぜひ見てみたいですなあ。
 小神殿は内部も小ぢんまりとしていますが、これがひとりの女性のために造られたというのは考えてみればすごいことです。ふつう、プレゼントに神殿を贈るか?

 さて、アブシンベルのホテルはこれまで泊まったホテルの中でも最凶のものでした。あまりにすごすぎたのか、室内の写真を撮っていません(笑)。
 しかしなぜかバスルームの写真だけはあったのだった……。

バスルーム.jpg
ハローアマンダ

 やけにだだっ広くて古ーいバスルームなのです。SAWごっこができそうでした。しかしこの写真からではまったくそのだだっ広さを伝えきれそうにないな。何を隠そう、モロクっちは写真を撮るのがヘタなのです。
 ともかく、このホテルは全体的に古くてボロくて何もかもが残念な感じでした。カイロのホテルがゴージャスすぎただけなのかもしれませんが。
 ドアの内鍵はガタガタで、たぶん女性でもその気になれば蹴破れそうなシロモノ。つーかドアと壁にすき間があって白々とした光が漏れているのですが……。
 添乗員さんの部屋にはヤモリが出たそうです。
 ……見たかったな、ヤモリ。北海道にはいないので憧れのどうぶつです。
 昼食と夕食もなんだかぬるくていまいちな感じでしたし、この日は移動に継ぐ移動でみんな疲れきっていたため、実にシーンとした食事でした。……まあ、ホテルのすごさにあてられたせいもあるだろうな……。
 アブシンベルにはホテルが3つしかありません。このホテルのグレードはその中では2番め。高いツアーならセティ・アブシンベルという最もいいホテルに泊まれるのですが、ね。

 さて、部屋で2日ぶりに髪を洗って変圧器+ドライヤーで髪を乾かそうとしたとき事件が起きました。「ぷすん」などと言って変圧器が止まり、異臭がたちこめたのです。ガッデム!
 仕方ないのでためしにドライヤーを直接コンセントに差し込んで使ってみたらば、何か炎を噴きそうな勢いで激しい熱風が吹き出し、本気で命の危険を感じました。
 自然乾燥することにしました。悲しくなりました。外のほうが乾くのが早いだろう、と思って部屋を出てみると……。

夕暮れのアブシンベル(2).jpg
 ……。

 こんなにきれいな夕暮れがあるだろうか。見てもいいものなんだろうか。人の息吹を感じさせる音なんか何も聞こえない。聞こえるのはナセル湖の水面のさざめきと、蚊を狩るツバメの鳴き声だけ。
 なんてこった、この夕暮れを永遠に眺めていたい。

 けれども、夜は来るものなのです。

夜のアブシンベル大神殿.jpg
写真がブレている。へたくそ

夜のアブシンベル小神殿.jpg
これはなんかアングルが悪いな

 夕食後は観光客から大好評のアブシンベル音と光のショーへ。
 ……これがですね、あまりにもすごすぎて写真を撮ることができませんでしたすみません
 大神殿と小神殿を巨大なスクリーンに見立てての、まあ有体に言えば幻灯なのですが、すげえです涙しか出ねえ。おまけにこの日のナレーションは日本語でした。内容はラムセス2世の武勇伝とその愛。プロローグとエピローグに語られる詩があまりにも美しすぎます。心を打たれる言葉です。書き留めておきたかったけどそれもかなわなかった。今度来ることがあれば、ビデオを持ってお金を払って録画します。
 また、周辺には砂漠と湖しかないため、照明が落ちると満天の星空を拝めます。流れ星さえ見えました。わたしの隣の席の男性はショーではなく星空を眺めてました(笑)。この男性、ショー終了後隣の女性(奥さんと思われる)に「すごかったねえ……」と振られて、「んー。寒かったよお」と返したつはものです。
 
 ただ男性と言うとおり本当に寒かったのでした。かなり着こんで行ったのですが、わたしはここで完全にカゼを引いてしまいました。ああ……。

 そして、翌朝。
 わたしはまた泣きました。

朝日1.jpg

朝日2.jpg

朝日3.jpg

 わたしはこんなにきれいな太陽を初めて見ました。
 太陽に泣かされたのも初めてです。

 この朝日はきっと、何千年も変わっていないんだろうな。

朝日.jpg

 毎朝これを見つめられる、神殿がうらやましい。



posted by モロクっち(諸口正巳) at 23:43| Comment(0) | 入エジプト記
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