2016年11月09日

ディザスター日記(後)

 モロクっちが11月6日に車を動かさねばならない理由――それは『家族』のためだった!!


 今ね、家に両親いないんですよ。
 両親今ハワイに行ってるんです。
 冗談ではありません。マジでワイハーに行ってます。
 しかも結婚して家を出たわたしの妹といっしょに。つまりわたしだけが今日本の北海道のこのド田舎で雪と氷に埋もれてるわけです。
 いやしかしどうかご安心いただきたい。「行けなかった」んじゃなくて「行かなかった」んですよ。わたし常夏の島には興味がないのです。貯金と有給をハワイにあてがうよりは、もっと他の、本当に行きたい国のために使いたいと思っています。
 だからべつにうらやましいとは思ってないし、ひとり暮らしを満喫しています。
 ……ただ、あったかくて雪なんかないのだろうなあ向こうは、とは思います。寒い……。

 そのハワイ旅行への出発日がよりにもよって11月6日だったのです。
 もちろんこんなド田舎から直行便など出ているはずもなく、険しい日高山脈を越えて新千歳空港から飛ばなければなりません(新千歳からハワイに行けるというのもなかなか信じがたい話である)。
 記憶にも新しいですが北海道は台風10号にボッコボコにされており、なんと現在でも線路は峠で寸断されています。山を越える手段は高速バスか、JR+バスか、自家用車です。
 母は高速バスを選びました。6日の午前中、わたしがバス停まで両親を送っていく手筈になっていました。
 しかし出発直前の5日になってこのイレギュラーな大雪!
 幸いフライトに影響はないようです……が……このままでは峠を越えられないかもしれない!
 一応慌ててタイヤ交換は済ませたのでバス停まで送ることはできますが、肝心のそのバスが出るかどうか。そもそも高速が通行止めになったら終わりです。
 5日の雪は、午後からの予報だったのに朝っぱらからゴンゴン降り始めていました。わたしは「これは今日峠を越えたほうがいいのでは……」と思いながら仕事に出かけ、昼休みに、心配になっていったん家に帰りました。
 そしたら両親は案の定ケンカしていました。
 母親はわたしと同じく非常にマイナス思考で慎重派であり、父親はひっどい楽観主義者です。こういう非常事態のときにケンカにならないはずがないのです。
 母親が今日中に峠を越えることを考え始めていたので、わたしはそうしたほうがよいと伝えました。
 殺し合いになっていなければよいが……と思いながら仕事を終えて家に帰ると、両親は、いませんでした。
 わたしのアドバイスに従い、5日のうちに峠を越えることを決断したのです。
 わたしが慌てて車のタイヤを替えた意味はなくなりましたが、これでよかったのだと心底ほっとしました。
 明日の天気なんて人間にはわかりようもない。
 今年の夏だって、台風ひとつであんなことになるなんて、上陸1日前は誰も考えてなかった。

 翌日は天気こそ回復しましたが、千歳あたりの高速道路が一時通行止めになり、母は5日に出発して本当に良かったとメールをよこしてきました。
 便名で調べましたが、3人が乗った航空機は無事にハワイに着いているようです。
 今頃ハワイ州も大統領選でもみくちゃになってるんでしょうか。
 母はわたしが物心ついたときから、ずーっとハワイに行きたいハワイに行きたいと言っていました。
 還暦を迎えてとうとうその夢が叶ったわけですが、初っ端から波瀾万丈のこの旅行、楽しんでいるのでしょうか。
 これを書いている時点で、ハワイはまだ「昨日」だなんて、なんだか不思議な話です。
 わたしはもう少し、ひとり暮らしを堪能します。
posted by モロクっち(諸口正巳) at 18:38| Comment(0) | 日記